Products DNA −ものづくりの系譜−

「カスタマーサポート」が、バッファローの新しい武器になる。

CS課はお客様とバッファローの接点。
「お客様目線」がなにより重要。

── 「コンタクトセンター・アワード2015 最優秀部門賞 最優秀テクノロジー部門賞」の受賞、おめでとうございます。まずはみなさんが所属する「CS課」がどんな役割を担っているのかについて教えてください。

嶋田 : CS課の仕事は大きく分けてふたつあります。ひとつはお客様からお電話で購入前の確認や購入後の使い方、そして修理に関する問い合わせがあった際に対応するコールセンター業務。もうひとつはそれらの分析からお役に立てる情報をWebで発信する業務。この管理運営を主要な業務としています。

── 粟生さんの所属されている「Webサポート係」と八釼さんの所属されている「市場サポート係」それぞれの役割についても教えてください。

粟生 : 私の所属するWebサポート係では、その名の通りWebサイトを通じたお客様へのサポートを主要な業務としています。バッファローのオフィシャルサイトにあるサポートページのメンテナンスやページ作成。中でもお客様が疑問を持つであろう商品の使い方や困ったときの対処方法をFAQに起こすといった作業は代表的な業務のひとつです。他にも、新製品の発売やファームウェア・ソフトウェアのアップデート情報等を随時提供するメールマガジンの配信も私たちWebサポート係の担当です。

八釼 : 市場サポート係の役割は、電話とメールを通したコールセンター・サポートセンターの統括管理です。コアになる業務は、どういった内容の問い合わせが多いのか、問題はどこにあるのか、といった分析を行い社内にフィードバック。商品の改善につなげていくというものです。他にも1日の入電件数やメールの受信件数を管理することも重要な業務です。

── CS課のお仕事で難しい点というのはどういったところなのでしょうか。

嶋田 : 業務の大部分が、直接的・間接的を問わずお客様への対応が中心になります。だからこそ、あらゆるシーンでお客様の立場に立って物事を考えなくてはなりません。とはいえ、どれだけ自分たちがお客様の目線で不便のないようにと考えていても、電話対応やWebサイトの内容にクレームをいただくことがあります。その度に、この仕事の難しさを痛感します。
逆にお客様との接点であるからこそ、適切な対応ができた際にはお客様が喜んでくださる姿を間近に見ることができます。その点ではとてもやりがいがあります。喜びもあります。

粟生 : サポートページの制作でいえば、バッファロー製品のユーザーは、ありがたいことに年代も性別も幅広い層に渡っています。そのため、FAQをひとつ作るにしても老若男女を問わずわかりやすい表現を心がけなくてはなりません。専門用語を極力避けることはもちろん、一言一句にいたるまで、あらゆるユーザー層に理解してもらえるよう、心配りをしています。

八釼 : 私の担当するコールセンター業務では、商品情報や問題点をまとめて電話対応の担当者に周知しなくてはならないのですが、正確なコミュニケーションができていなければ、こちらの意図するものとは違う動きを現場がしてしまうことになります。そのため、誤解を生まないように伝達事項をリスト化したり、現場とのやりとりをすべて記録に残すなどの工夫をしています。

試行錯誤と地道な分析。
小さな努力の積み重ねが、
大きな結果を生む。

── 今回、「コンタクトセンター・アワード 2015」受賞の評価対象は「動画によるサポート」と「自動音声ガイダンスの改善」の2点であったとか。まずは「動画によるサポート」がどのようなものであったかを教えていただけますか?

嶋田 : 動画によるサポートをオフィシャルサイト内のサポートページにアップしようとしたきっかけは、実はWebサイトの改善ではなく、コールセンター業務を改善しようという動きが発端になっています。
2014年度、バッファローでは実に733もの新製品が発売されました。ユーザー層は拡大し、パソコンが苦手な方やスマホ・タブレットの利用を中心とした、いわばITリテラシーの高くないお客様も増えてきています。また、取り扱い製品のカテゴリーも拡大したことで、問い合わせの内容や窓口が複雑化してしまっているという現状がありました。結果として、コールセンターへの入電が膨大な件数に上ってしまっていたんです。製品は多機能化し、設定も複雑になっているにもかかわらず、取扱説明書は専門用語が多く、細かなことまでは書かれていない。サポートページのFAQは文字ばかりで読む気がしない上、スマホだと文字が小さく読みづらい。こうした課題を解決するためのソリューションとして、「動画」でのサポートはどうか、というアイデアが生まれたんです。

── 具体的にはどのような形で制作されたのですか?

粟生 : ビデオカメラと三脚、そして動画編集ソフトを買うところから始めました(笑)。私、機械の操作がそれほど得意ではありませんし、動画の編集もまったくの未経験。「本当にできるの?」と不安でいっぱいでした。撮影場所も実は自分のデスクに白布を敷いて撮影しているんです。例えばインターネットへの接続方法を紹介する動画なら、実際のお客様になりきって一つ一つ手順を紹介していきました。とはいえ、なにぶん初めてのことばかり。今見返すと初期の動画はそれほど出来がよくなかったかなと感じるものも多いです。わかりにくい動画については再撮影・再編集をすることでよりわかりやすい形にバージョンアップさせています。
最初の動画を撮影してから2年が経ちます。制作本数も140本を超え、総再生回数は250万件を超えるまでになりました。「わかりやすさ」という点でも、例えば無線LAN中継機の設定方法に関するものでは、文字のみのFAQに対して、動画版では約2倍の解決率を誇っています。今でこそ見やすくわかりやすい動画になっているとの自負もありますが、この2年は試行錯誤の連続でした。

── 一方、自動音声ガイダンスの改善についてはいかがでしょうか。

嶋田 : 社内的にはIVR (Interactive Voice Response )と呼んでいるこの自動音声ガイダンスですが、お客様が問い合わせの電話をくださった際に、適切なオペレーターにつなぐため、自動音声に従ってカテゴリーを選択していくというものです。改善のきっかけは、バッファローの製品カテゴリーが年々幅広くなっていく中で、カテゴリーの数だけ窓口も分かれてしまい、結果として対応出来るオペレーターも限られてしまうという現状があったんです。一方お客様は自分が目指すカテゴリーの窓口にたどり着くまでIVRに沿って番号を何度も選んでいかなくてはいけません。そのアナウンスの内容が難しかったり、お客様の理解できない用語を使っていたりしたために、間違った窓口につながってしまうという事例が数多く見られました。こうした状況を改善するために、IVRの大幅な見直しを行うことになったんです。

── なるほど。どのようなアプローチで改善されたのでしょう。

八釼 : 窓口を間違えてしまうお客様が多いことは数字上から容易に判断できるのですが、「なぜ」間違えてしまうのかにたどり着くまでに非常に時間がかかりました。実際のお客様とのやりとりを録音した音声データを一つ一つ聞き直し、お客様がどのような言葉でバッファロー製品を表現するのかを逐一確認していったんです。例えば私たちは社内では「無線LAN」という言葉を使いますが、お客様によっては同じ意味で「Wi-Fi」だったり、あるいは「インターネット」という言葉を使われることもあります。他にも「リンクステーション」や「テラステーション」など、商品名やシリーズ名をアナウンスに使っていたのですが、お客さまからすれば「ハードディスク」としか表現されないことも多いという事実がわかってきました。こうした「表現のすれ違い」を確認しては修正し、の繰り返しでIVRの改善を進めていきました。

「最優秀部門賞 最優秀テクノロジー部門賞」受賞。
そしてその先へ。

── 「コンタクトセンター・アワード 2015」への応募は嶋田さんの発案なのですか?

嶋田 : はい。今回取り組んだ動画でのFAQ作成やIVRの改善もそうなのですが、3年前に始まった全社的な業務改革活動の一環なんです。当時はコールセンターの応答率も悪く、「これではいけない」とさまざまな部署から指摘を受ける、という状況でした。それが3年をかけた改善活動の甲斐もあって、入電数も約3割減少、待ち時間も大幅に短縮され、随分状況を改善することができました。せっかくこれだけの改善を実現することができたのだから、社内だけでなく、外部的にもどのように評価されるのか試してみたい。そんな思いから応募に至りました。応募総数22社25件。評価は会場でのプレゼンテーションで決まるのですが、その大役を、粟生と八釼の二人に託しました。

粟生 : プレゼンテーターに抜擢されて以来、八釼と二人で毎日資料の作成とプレゼンテーションの練習に励みました。資料は自分たちにとって使いやすいものではなく、フォントや文字の級数を揃えることをはじめ、プレゼンテーションを受ける側の立場でわかりやすいかどうかを常に気にしていました。他社の資料の中には「外注に出したんじゃないの?」と感じるくらい綺麗なスライドがあったりして…。慣れないながらも負けたくない一心で資料を作成しました。

八釼 : プレゼンテーションについては、ビデオカメラで練習風景を撮影して、自分たちがつまづきやすいところや早口になってしまうところを確認しながら完成度を高めていきました。自分では自然な流れだと思っていても、ビデオで見返すと思っている以上に冗長だったり端折りすぎていたり。他人からどう見えるかということを主眼に置いて練習を重ねました。

── 「最優秀部門賞 最優秀テクノロジー部門賞」の受賞を耳にしたときの感想を教えてください。

粟生 : あまりにびっくりしすぎて、受賞と聞いてもなんだか実感が沸かなかったのですが、表彰式の場に立つと急に感極まってきて思わず泣いてしまいました。さらに会場を見ると部長まで泣いてさらにもらい泣き。

八釼 : 私は泣かないと決めていたのですが、部長まで泣いているのを見ると、さすがにこみ上げてくるものがありました。

嶋田 : 部長はトロフィーをもらったときも泣いていたね。絶対に泣いてないって本人は言い張っていたけど。

── 今後、どのような取り組みを考えておられますか?

嶋田 : 例えばコンシェルジュのようにWeb上で質問を入力すると写真とテキストで答えてくれるシステムであったり、SMS(Short Message Service)を利用したFAQへの案内であったり、実現したい取り組みはたくさんあります。
カスタマーサポートという部署は一見すると裏方の部署ですが、飽和状態になっているパソコン周辺機器の市場にあっては他社と差別化するための武器になり得るサービスだと思っています。複雑化、多様化していくパソコン周辺機器でも「バッファローならしっかりサポートしてくれる」という信頼感を得ることで、お客様に安心してバッファロー製品を選んでもらえるバッファローファンを広げていきたいと考えています。そのために、今回の「コンタクトセンター・アワード 2015」の受賞は、社内外にバッファローのサポートの質と存在感を知ってもらうよい機会になったと思っています。粟生と八釼にはぜひ次年度のアワードも獲得してもらいたいと期待をしています。

粟生 : 受賞の喜びもつかの間、翌日には次年度にむけての課題を言い渡されました(笑)

八釼 : 来年も部長に泣いてもらえるよう、頑張ります!

コラム(こぼれ話)

今回「コンタクトセンター・アワード 2015」でプレゼンテーションを担当した粟生と八釼は、同期で入社した社内でも有名な仲よしコンビ。休日をともに過ごすことも多く、長期休暇の際には二人で海外旅行に出かけることもあるのだとか。気兼ねなく意見を言い合える関係だからこそ、二人三脚でプレゼンテーションの質をここまで高められたのだろう。