Products DNA -ものづくりの系譜-

サポート体制をさらに強化。バッファローの新たな魅力「カスタマーサポート」。開発スタッフへのインタビューを通して、商品開発にまつわるエピソードやアイデアの秘密をご紹介する『Products DNA』。今回は特別編として2015年に引き続き2度目の「コンタクトセンター・アワード2017最優秀テクノロジー部門賞」を受賞したCS課のメンバーに話を聞いた。

アイデアはコストを上回る。
工夫を武器に取り組んだサポート改革。

── 2015年に引き続いての「コンタクトセンター・アワード2017最優秀テクノロジー部門賞」の受賞、おめでとうございます。

嶋田:ありがとうございます。2016年は受賞を逃してしまったので、今回の受賞でほっと一安心といったところですね。「コンタクトセンター・アワード」は一般的に日の当たりづらい部門の成果をひのき舞台にあげてくれる賞です。今回の受賞は私たちの業務の成果が認められたことはもちろん、CS課の仕事を社内外に知ってもらえるという意味でもうれしいです。

── 「コンタクトセンター・アワード」はメーカーのユーザーサポートにスポットを当てて、取り組みのオリジナリティや有用性を競うコンペティションです。プレゼンテーションの内容が審査されるわけですが、今回はどのような発表をされたのですか?

中井:社会の大きな変化として、スマートフォン利用率のさらなる拡大が挙げられます。かねてからバッファローではユーザーサポートの一環としてサポートページに機器の扱い方や設定方法について動画での解説をアップしています。ですが、これまでアップをしていた動画は、PCでの視聴を主眼に置いたもので、より画面の小さいスマートフォンに最適化されたものではありませんでした。そこで、2015年からの約2年間をかけて約300本ある動画の1/2にあたる約150本をスマホ最適の動画として新たに撮影しました。具体的には、広い画角で全体を撮るのではなく、それぞれのシークエンスで必要な箇所をクローズアップするようにしています。

── スマートフォンへの対応強化はユーザーのニーズを反映したものなのでしょうか。

寺澤:はい。お客様がサポートページを閲覧する理由の多くが「Wi-Fi環境に接続できない」というものです。PCの場合、そもそもWi-Fiにつながっていなくてはサポートページの閲覧ができませんから、自然とスマホでの閲覧が多くなります。また、据え置き型の機器のそばで操作をしながらサポートページを閲覧しようとする場合、持ち運びの面から考えてもスマホの方が便利なんです。

── 「かゆいところに手が届く」動画サポートですね。ユーザーはオフィシャルサイトからQ&Aを探してたどり着くのでしょうか。

中井:もちろんオフィシャルサイトからのアクセスもありますが、バッファローではより簡便にアクセスできるよう、商品マニュアルにQRコードを掲載し、Q&Aへの導線を整えています。検索エンジンからQ&Aに到達するまで一般的に2分程度かかっていたものが、QRコードを掲載することで約15秒しかかからずにQ&Aにアクセスが可能となっています。また、Webマニュアル上にも動画Q&Aを併記し、陥りやすい状況を事前にお知らせすることで、いわば「先回り」した問題解決を実現しています。

── ほかにはどういったプレゼンテーションがあったのでしょうか。

寺澤:現行商品のほとんどは設定にスマホアプリを利用することが可能です。ですが、旧商品の中にはPCでしか設定を行うことができないものも多いんです。そこで、スマホで機器のIPアドレスを調査し、ブラウザ上から設定できる方法を動画でご紹介しました。この動画は年配の方をはじめバッファローの商品を長く愛用くださっている方にたいへん好評をいただきました。

尾上:Google音声入力でQ&Aページにたどり着くための方法を紹介した動画も好評でしたね。音声入力というと若年層の文化のように思われがちですが、実際は老若男女を問わず幅広い層の方が利用するツールなんです。こうした「とにかくわかりやすい動画をつくること」そして「とにかく簡便に動画へとたどりつけるようにすること」をプレゼンテーションの柱としました。

── 結果的に「最優秀テクノロジー部門賞」を受賞することとなったわけですが、審査員の評価はどのようなものだったのでしょうか。

嶋田:評価のポイントとしては大きく「お客様の視点に立った分析と改善」「既成概念にとらわれず改善に向けて追求を続ける姿勢」「スマホファースト時代に適合するための好事例」「フリーウェア等を利用したローコスト・オペレーション」などです。特に今回最終選考に残った弊社を含めた2社のうちの1社が、大きなコストを投下したAIでのコールセンターシステムでした。その相手に低コストながらも工夫を武器に挑んだ弊社の取り組みが評価されたことはうれしかったですね。

── まさにアイデアはコストを上回るというわけですね。今回の評価をどのように今後に生かしていこうと考えておられますか。

嶋田:大きなコストをかけなくとも市場の動きを読むことでこれだけの成果をあげられるというよい事例になったと思っています。各メーカーが極めて高い水準で開発競争を続ける現在、カスタマーサポートは差別化の重要な一手となります。今後はさらにアイデアに磨きをかけて、お客様にとって本当に救いとなるサポートは何なのかを追い求めていきたいと思います。

サービス紹介 カスタマーサポート

「お客様目線」をさらに高めた、
「かゆいところに手が届く」サポート。

スマホ時代に対応した動画サポートを中心に、ユーザー目線に立った「かゆいところに手が届く」サポートを拡充。自己解決率を高めたことが評価され、「コンタクトセンター・アワード2017最優秀テクノロジー部門賞」に輝いた。

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CS課 課長 嶋田豊秋 (写真:右から2人目) CS課 尾上茉莉 (写真:左端)、寺澤ともみ (写真:左から2人目)、中井美里 (写真:右端) 嶋田いわく「真面目でひたむき」が取り柄の3人は「コンタクトセンター・アワード2017」の経験を得て大きな成長を遂げたという。一方3人から見た嶋田は部下に「考えさせる主義」の上長だ。