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 古い街並で知られる岡山県倉敷からも程近い場所にある岡山県岡山市平野。犬養木堂誕生の地でもあり昔ながらの風景が今でも残る、歴史ある町です。そんな歴史を感じさせる町で地域医療に貢献している医療法人三樹会梶木病院様の、無線LAN導入事例をご紹介いたします。
 同病院は1967年に同地に設立されて(当時は梶木医院)以来、30年以上も「地域社会に信頼される病院」を基本理念に活動されています。内科、外科、胃腸外科、リハビリテーション科、麻酔科、ペインクリニックと患者さんに応じたきめ細かい医療環境を同病院は誇っています。


 有線LANを梶木病院様が導入したのは1995年のことでした。今回お話を伺った検査室臨床工学技士の小林さんがMS-DOSをベースにした検査システム(血液検査用)をオリジナルで開発された際に、そのデータをやりとりするため、メルコ製の簡易ネットワークOS「簡単WEB」を使用した有線LANシステムを導入されたのが最初だったそうです。

左写真が現在使用されているオリジナル開発ソフトです。(Windows版)


 上記のシステムを導入して5年。「検査室だけでなく、病院内にもLANシステムの拡張をしたい」と小林さんは常々考えられていたそうです。
 同病院は、1993年、組織が医療法人化されてから、CTスキャンやデジタル画像化処理診断装置など、日々進歩する医療技術に対応すべく最新医療装置を取り入れてきました。さらに、医療装置の導入によりこれまでのスペースでは手狭になり、病院の増築等を行なってきました。また、病院に隣接する民家を買い取って、これまで同病院内にあった院長室や理事長室を移設したりもしました。当然、それらに伴う費用も莫大です。

 「病院の経営も世間が思っているほど楽ではないんですよ」とおっしゃる小林さんは、そうした状況を横目に、さらなる費用が必要なシステム拡張の話をすることができなかったそうです。
そんな時、チャンスが訪れました。政府が発表したパソコン減税で、病院内のPCを買い換えようという話がありました。このとき小林さんは暖めていたLANシステム拡張を進めていったそうです。その後、「懇意にされているSI業者の方〔(株)F-wave様 
http://www.f-wave.co.jp/〕と相談した結果、メルコ社製の無線LANを一部に導入することに決めました」と小林さんが導入までの経緯を説明してくださいました。

 「無線LANなら新たな増設にかかるトータルコストを低く抑えられる」。小林さんがメルコ無線LANの選定した理由をそう説明してくれました。いくらパソコン減税によって導入費用が安くなったとしても、やはり有線のケーブル敷設工事は高くつきます(ケーブル敷設等はすべて病院内で手がけたそうです)。その点、無線LANなら工事費はほとんどかかりません。基本的にはアクセスポイント(AP)とカードさえ購入すれば大丈夫です。こうして2000年9月、梶木病院様にAP2台(WLS-128S)とノートPC用カード4枚、デスクトップ用カード1枚が設置されました。

梶木病院様の無線LAN使用状況
. 使用AP カード枚数
病院内
1台 3枚
離れの院長室等
1台 2枚(1枚はデスクトップ)
合計
2台 5枚


 小林さんは20年程前から趣味でプログラミングをしてこられたそうで、前述の検査データ用プログラムも小林さんの手によるものです。
「セミプロともいえる小林さんからみて、無線LANの設定はどうですか」との質問に、「マウスさえ使える人なら、マニュアルに書いてあることをそのまま行なえば、難しいことはないでしょう」と答えてくださいました。

 梶木病院様では無線LANを主に検査データのやりとりにお使いになっていますが、インターネット、eメールなどにも活用されています。
同病院の検査システムを簡単に説明しますと、まず、血液自動分析器で解析されたデータが検査室内のデスクトップPC(NEC製9821、OS=Windows98、使用ソフト=オリジナル検査データ、EXCEL、WORD等)に読み込まれます。そのデータが有線LANを介して、事務室内に設置されたサーバ(コンパック製プロライアントML350)に蓄積されます。
診療の際、無線でつながっているノートPC(東芝製Dynabook:OS=Windows98、使用ソフト=オリジナル検査データ、EXCEL、WORD等)で患者さんのデータをサーバーから呼び出し、それを見ながら診察できるシステムになっています。

 また、隣にある離れ(2階建て)でも2階にアクセスポイントを1台取り付け、院長室(2F、使用PCはノート:東芝製Dynabook、OS=Widows98、使用ソフト=オリジナル検査ソフト、WORD、EXCEL等)、事務長室(2F、使用PCデスクトップ:東芝Dynabook、OS=Widows98、使用ソフト=WORD、EXCEL等)、理事長室内PC(1F、使用PCデスクトップ:フロンティア神代、OS=Widows98、使用ソフト=WORD、EXCEL、オリジナル検査データ等)で無線LANを使用しています。ここでも、院内同様、患者さんの検査デ―タを呼び出したり、インターネット、eメールなどに活用されているそうです。

     

 今回、無線LANの使い心地について、梶木秀樹院長先生にもお話を伺いましたところ、「大変便利です」とのお言葉をいただきました。無線LANでつながったノートPCさえあれば、リアルタイムで患者さんのデータを「いつでも、必要な場所」で見ることができる。ケーブルをつなぎ変える手間もなく、速度も10BASEの有線LANと遜色ない。
 お話を伺って、無線LANの手軽さ、利便性は忙しい医療現場にこそジャストフィットしている、という印象さえ受けました。実際、同病院に勤務されている他の先生方からの評判も上々とのことでした。

 梶木病院様で無線LANを導入して約半年、これまで無線LANの故障は一度もありません。また、最近、携帯電話等の電磁波が医療機器に悪影響を及ぼすといったことが叫ばれ、多くの病院で携帯電話の使用を禁止しています。無線LANも電波を使用するため、同病院でも充分に注意されているそうです。
しかし、「無線LANの影響で、医療機器の動作がおかしくなったことは、これまでありません」と小林さんは説明してくださいました。(下記参照)

「病院内における電波利用に関する調査研究」---総務省(信越総合通信局)発表抜粋
〜PHS端末や無線LAN端末が及ぼす影響は、医用電気機器に異常に接近させた状況で使用しない限り問題が生じないことが結果として得られた。〜
取材を終えて

今回ご紹介した梶木病院様には、冒頭で紹介した「地域社会に貢献する」という基本理念以外にも、いくつかの理念があります。その中で印象に残った言葉は、「職員の最新知識の習得と医療技術の絶えざる向上」でした。
無線LANという最新技術を導入し医療業務にお使いいただいている様からも、この理念を忠実に守っておられる同病院の姿勢を強く感じました。
なお、同病院について詳しくお知りになりたい方は下記のURLをご覧下さい。
http://www.kajikihp.or.jp/


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