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「大規模な範囲で無線LANを活用しているところがある」そんな話を聞きつけて、北海道函館市近郊にある鹿部町役場を訪問しました。同町は日本でも有数の温泉地帯で、特に日本でも数少ない「間歇泉」があることで知られています。
お話を伺ったのは同町役場・総務課の村田昌弘さん。また、今回無線LANシステムの提案から設置までトータルに見てこられた(株)近藤商会PCネットワーク部PCサポート課・佐々木浩美さんにも御同席して頂きました。
鹿部町では庁舎と町立の各施設(公民館、学校等)6ヶ所をAirStationProで結ぶシステムを構築されています。

「LAN(有線:10BASE/T)が導入されたのは1999年でした」と、村田さんが無線LAN導入までのいきさつを話してくださいました。
「当初は庁舎内だけのシステムを想定していました。しかし、関係する各機関とのデータの共有ややり取りなど、専用ファイルサーバーに相互にアクセスする必要性が次第に増してきました。そこで近藤商会さんを含む地域の数社に相談いたしました」



「この地域ではDSLなど常時接続がまだできません。役場と関係各施設を結ぶネットワークを構築するには、接続手段として3つの方法しかありませんでした」と導入計画時の背景について、御説明くださいました。
村田さんによれば、鹿部町地域で構築できるのは、
1.ダイヤルアップによる接続
2.専用線による接続
3.無線LANによる接続
という3つの選択肢でした。このうち1.についてはコスト面が不明確ということもあり、選択肢からはすぐはずれました。残ったのは「専用線か無線か」という2つの選択肢でした。
そこで佐々木さんは右に示した試算表を作成して鹿部町役場様と相談されました。その結果、「ランニングコストが圧倒的に安く、初期費用も1年程でペイできる」という理由から、同町役場では無線LANによるシステムの導入を決定されました。

■無線LANと専用線のコスト対比試算表
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初期費用
ランニングコスト
(月額)
専用線を導入した場合
1,000,000円
330,000円
無線LANを導入した場合
4,000,000円
0円
(注1)無線LANはAP10台、アンテナ9基(指向性8基、無指向性1基) + 工事費
(注2)専用線は64k + 機材 + 工事費等、ランニングコストは基本料金のみの試算

さて、無線によるシステム構築が決定して、次に懸案事項となったのは、「無線でうまくつながるか」という点でした。こうした疑問を解消すべく、鹿部町役場様ではBUFFALOに現地調査の依頼をしました。
下図をご覧になればおわかりのように、給食センターとは直線距離で700m、総合体育館とは650mの距離があります。周囲に高いビルなどの遮蔽物はありませんが、「大丈夫だろうか」という一抹の不安はあったそうです。
しかし、その不安も現地調査によって解消。さらに調査時の「素早い対応」をみて、BUFFALOに決めたそうです。
「やはり、屋外にアンテナを設置する関係上、屋内よりもトラブルの起きる確率は高いと思います。トラブルがあってもBUFFALOさんなら、素早く対応していただけると思いました」と佐々木さん。また村田さんからは「(BUFFALOのこれまでの)シェアや実績やコストパフォーマンスの高さ」なども機種選定の大きなポイントであった旨のお話を頂戴しました。
「他社製品との比較もしましたが、総合的にみてBUFFALOがいい」ということで、2001年8月に同町内の各施設への設置工事が行われました。

   

今回導入されたシステムを簡単に説明しますと、まず、鹿部町役場庁舎内にAirStationPro(WLA-AWCG)を4台設置しています。屋上には指向性アンテナ(WLE-HG-DYG)を3基、無指向性アンテナ(WLE-HG-NDC)を1基設置し、鹿部中学校、鹿部小学校、中央公民館とは1:1で結び、それ以外の施設を残りのアンテナ1基で通信しています。中央公民館と学校施設を単独で結んでいるのは、現在ダイヤルアップでインターネット接続しているPC教室を今後は無線LANに集約する事と、各施設ともに災害時の避難施設でも有る事から、万が一に備え複数の通信路の確保を考えてのものです。
役場やその他施設の内部はすべて、有線LANでつながっています。なお、役場内で稼動しているPCは約65台、ほとんどがノートPCでWindows仕様です。使用ソフトはOFFICE、電子メール、基幹システムで、OSはWindows95から2000までと様々。
無線LANは専用ファイルサーバーへのアクセスや、インターネットの閲覧、メールなど(学校以外は、すべて無線LANで役場経由の接続)に使っています。



個人データの流出などがニュースを賑わせることが、最近多くなっています。当然ながら、鹿部町役場様でも、住民データの保護には高い関心を払っておられます。今回、無線LAN導入にあたって、セキュリティという面についてどう感じているかをお二人に伺いました。
「セキュリティについては128bitの暗号化で対応しています。また暗号以外でも、(AirStationProは)様々な設定が用意されているので、安心して使っています」との御返事でした。AirStationならではの強固なセキュリティ128bitWEP対応* が、自治体のデータ保護にも最適、ということを再確認いたしました。
また、通信速度や通信品質といった面でも、「満足している」とのこと。村田さんからは「現状で100点満点」というお言葉もあり、非常に快適にお使いいただいております。

*WEP(Wired Equivalent Privacy)・・・無線LANの標準規格IEEE802.11bで定められているセキュリティ機能のひとつ。アクセスポイントや無線LANカードに設定したパスワード(WEPキー)をもとに、送受信データを暗号化。暗号化されたデータの解読には、データ受信側、送信側とも同一のパスワードが必要となるため、万一、第三者に電波を傍受されても、データ内容の解読はされずに済み、セキュリティが確保できる。
パスワードはbit数で示され、この数値が大きいほど暗号が複雑化することになり、比例してセキュリティ機能も向上する。

 

今後の無線LANの導入予定について、村田さんにお聞きしました。
「まだ、検討の段階ですが、次には消防署に無線を設置したいですね。消防庁のほうから、救急救命に関する情報をダウンロードすることも多く、インターネット接続のニーズが高いというのがその理由です」

最後に佐々木さんから、こんなお話が聞けました。「通信費は、月額ではそれほど気にならないかもしれませんが、これが4年、5年と積み上げられると大変な金額になります。無線LANのメリットはまさに、このコストをばっさりとセーブできる点です」。
企業のみならず、自治体でも経費削減は大きなテーマとなっています。無線LANは経費削減を容易に実現できる一手段として北海道のみならず、「全国の自治体にも積極的に推薦できます」と太鼓判を押してくださいました。

最後に
鹿部町は豊富な海の幸と温泉が自慢。特に間歇泉は実際に目にされることをお勧めします。その光景は、地球の神秘を感じさせられます。同町に関して詳しくお知りになりたい方はこちらまでhttp://www.town.shikabe.hokkaido.jp/

システムを構築した(株)近藤商会様は、50年以上にも渡って、道南地域でのオフィス環境創造を通じて、地域貢献されています。同社に関する詳細はこちら。
http://www.kond.co.jp/

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