無線LAN導入事例

原土井病院様

電子カルテシステムを無線で構築 利便性はもちろん、安全性も◎

原 寛理事長とお話を伺ったシステム管理室蔵前博之室長

 福岡県福岡市東区の特定医療法人 原土井病院様では04年に情報システムを一新、電子カルテシステムを稼働させました。医事、薬剤支援、検査支援、検査結果閲覧、看護支援、画像、心電図など、医療に関するほとんどの情報を電子カルテシステムで一元管理し、業務の確実性を向上しつつ効率化を実現しています。
 そのインフラとしてバッファローの無線LAN(WLAH-HG-G54/R 35台、WLM2-A54G54 10台)が活用され、「電子カルテを効果的に運用するには無線LANは必須」(原理事長)と高く評価されています。

 有線LANと比べたら、無線LANの方がずっといいに決まっています。患者様にも医者にも職員にも、誰にとっても無線の方が使い勝手が良いですから。最善のシステムを作るなら、無線LANを導入するのは当然と考えています。
 後は、費用対効果を考えるだけですが今は導入コストが随分と安価になったので、無線LANを導入しない理由はない、と言ってもいいでしょう。
ひとつ懸念があるとすれば無線LANの電波による医療機器への悪影響ですが、しっかりと確かめればいいだけの話しです。
 病棟での無線インターネットの開放は患者様へのサービスです。今の時代インターネットを使うのは常識ですから使える環境を整えました。
 電子カルテはこれから5年以内に一気に普及するでしょう。地域医療を実現するにはカルテの電子化は欠かせないからです。これからは、電子カルテシステムがなければ病院経営はできない、というぐらい重要なものになるでしょう。

  • 無線LANWLAH-HG-G54/Rはチーム医療の鍵
  • 児童の移動が多い小学校の教室では無線LANが理想的
  • 無線LAN搭載ノートPCは看護支援で威力発揮
  • 無線LANによる医療機器への悪影響はゼロ
  • 別系統の無線LANでフリースポットも
  • バッファローを選んだ理由は、コスト、信頼性

導入製品

WLAH-HG-G54/R 無線LANアクセスポイント
ハイゲインアンテナ&PoE受電アダプタセット
WLAH-HG-G54/R
WLM2-A54G54 インテリジェントアクセスポイント
WLM2-A54G54
BS-POE-2024GMR 「Business Switch」シリーズ
レイヤー2インテリジェントPoEスイッチ
24ポートモデル
BS-POE-2024GMR
   

チーム医療実現の鍵

ほぼ全館無線エリアとなった原土井病院

 原土井病院は11病棟で556床あり、その内40床が開放型病床と、地域医療の中核を担う病院です。
1967年の開設以来、地域社会への貢献に努め、99年には公益性を認められ特定医療法人に認可されました。04年度からは『博愛』を理念に掲げ、『患者様を中心としたチーム医療』の実現を使命の一つにしています。
 この度導入した電子カルテシステムも、この使命を実現するためのひとつの手段に他なりません。「チーム医療」を実効性のあるものにするには、チーム内での情報共有が欠かせないからです。
 患者様の診療に関するデータは様々なものがあります。医師による診察や投薬の記録、各種検査結果、看護師による日々の看護記録など、随時増加していきます。それらの情報を一元管理し医療チームの誰もが容易にアクセスできることが必要になります。
 それを実現するために最先端の電子カルテシステムを導入し、その電子カルテシステムを最も効果的に運用するために無線LANを選びました。

看護支援で威力発揮

上図:ノートPCを専用台車に乗せ、移動先で活用、下図:廊下に設置された無線アクセスポイント

 「有線より無線の方がずっといいに決まってる」という原理事長の言葉が、無線LANの利便性を端的に表していますが、もう少し具体的に説明しましょう。
 無線LANの効果が特に発揮されるのは看護支援システムでの活用です。これは電子カルテシステムの一部で、主に看護師の業務を効率的にし、ミスの発生を事前に防止するものです。
 概要は、電子カルテシステムに無線でログインしたノートPCを患者様の病室まで運び、画面を見せながら病状の説明をしたり、医師からの指示や前日までの患者様の看護記録を確認したりします。また、看護記録の更新をその場で記入することも肝心なことです。
 05年2月に看護支援システムは本格稼働しましたが、それ依然のテスト稼働中はナースセンターの固定端末だけで、患者様の病室まで持って行くことはできませんでした。
 本稼働との違いは、単純に“固定されている”か“持って行けるか”というだけですが、この“違い”こそが医療の質を高め、患者様のメリットを増大させることにも直結します。
 それは、 ・患者様に直接電子カルテの必要なデータを見せることで、病状の具体的な説明ができインフォームド・コンセントを得やすくなる
・看護師が患者様の最新データを常にチェックしながら看護できる
・一元化された元データを参照できるので転記ミスが発生する余地がない
・看護記録をその場で即座に記入できるので紙からの転記の手間が不要、かつ転記ミスが発生しない
などがあるからです。
 転記ミスというのは、つまり“読む時”、“書く時”の人為的な写し間違いのこと。単純なミスですが、十分に注意していても意外と発生してしまうものです。しかし、現場まで端末を持って行くことで転記の必要がなくなり、ミスが発生する原因を取り除くことができました。
 現在、看護支援システムに活用するノートPCは全部で56台用意しています。


電子カルテ用無線ネットワーク

医療機器への悪影響はゼロ

ナースセンターも無線エリア

 今回導入した電子カルテシステムは、国立病院や大学病院など最先端で導入しているものと比べても遜色ないレベルだと自負しています。国内の先端事例をいろいろと見学した上で、原土井病院の業務フローに最適になるよう開発したものだからです。
 それが実現できたのもIT活用に積極的な風土があるからこそ、と思います。20年以上前から業務支援にPCを使い始め、8年ほど前からは電子カルテシステムの前身と言える、オーダリングシステム(医師が処方や検査などのオーダーを直接端末に入力し、関連部門で情報を共有するシステム)を使ってきました。実は、この時から一部で無線LANを導入していて使いやすさと安全性は体験済みでした。
病院に無線LANを導入する場合、医療機器への影響を懸念する向きもありますが、これまでの経験に加えしっかりとテストしたことで安心して全病棟にアクセスポイントを設置することができました。具体的には、最も医療機器を多用するICU(集中治療室)で1ヶ月間のランニングテストを実施し影響がないことを確かめました。
 WLAH-HG-G54/Rを35台、WLM2-A54G54を10台の合計45台を病院内の至る所に設置しましたが、これまで医療機器に悪影響を及ぼしたことはありません。

別系統でフリースポットも

予防医療のためのフィットネスルームも無線化

 また、セキュリティの問題も重要です。診療記録は医療チーム内では手軽に情報共有すべきものですが、それ以外の人には一切見せるべきではありません。
 そのため、電子カルテシステムは外部回線から完全に隔離しました。万が一のハッキングを未然に防ぐため、インターネットなど外部には接続していません。
 また、無線LANへの不正アクセス防止に、Macアドレスの登録や暗号化、アプリケーション上でのパスワード認証など複数のセキュリティを掛けています。これにより、病院で用意した端末以外はログインできません。また、各端末ごとに使用できる病棟も限定するなど安全性を高める努力を重ねています。
 さて、電子カルテシステムは安全性を考えてインターネットに接続していませんが、患者様サービスという観点からインターネットの無料開放には積極的に取り組んでいます。「インターネットを使うのは今や常識。TVと同じで、あって当たり前」(原理事長)と考えるからです。
 そのため、まったく別系統の無線LANをいわばフリースポット的にお使いいただいています。貸し出し用のノートPCも用意して、患者様からは好評を得ています。

コスト、信頼性で選択

給電機能搭載型スイッチの採用により見た目もスッキリ

 無線LAN機器にバッファロー製品を選んだ理由は、ひとつはコストの優位性です。競合他社の同等品よりも大幅に安価でした。また信頼性の高さもあります。無線LANのシェアNo1という称号も信頼性の裏付けでしょうし、シェアを取っている製品ならば、将来に渡って安心して使うことができます。
 それと、他のメーカーと比べるとサポート対応が良好という点も評価しました。
 また、無線アクセスポイントはすべてPoEで接続しましたが、スイッチまで含めてトータルで対応製品を揃えておりスマートかつ工事費もかなり抑えることができました。給電機能搭載型スイッチを使ったことで、外付けの給電アダプタが不要になり無駄なスペースを使わず見た目もスッキリしました。
 また、アクセスポイントの電源が不要なので、工事費に関しては非PoEで接続した場合に比べて約2分の1に抑えることができました。後々アクセスポイントの位置を移動することが容易、という利点もあります。

次のステップはPDA?も

 電子カルテシステムはこれからもより良いものを目指して、常に改善を続けていきます。先には看護支援システムの端末にノートPCだけでなくPDAやIP 電話の活用も検討したいですね。ノートPCには画面が大きいという良い点もありますが、持ち運びの点ではPDAに分があります。適材適所で使い分けると良さそうです。
 とにかく、一度便利な環境に慣れると後戻りはできません。電子カルテシステムや無線LANは、すでに原土井病院の業務を支える基盤として、なくてはならないものになっています。
 今さら言うまでもありませんが、便利な環境を整えるのは患者様のメリットにつながるからです。常にそれを中心に考えつつ進化させていくつもりです。

隣接する原看護専門学校も全校無線化

原看護専門学校

 原土井病院が併設する原看護専門学校も全校無線化済みです(WLM2-A54G54 10台)。ノートPCを80台用意し学生に貸与しています。セキュリティはRADIUSサーバによるユーザー認証だけに留めています。
それは、一人に一台専用機を貸与する環境ではないので、個人パソコンを持ち込んでも登録せずにすぐ使えるようにするためです。
学生の主な使い方は、メールのやり取りや授業の資料調べなど。また、休講の通知や成績表などもグループウェア上に掲示されるので、インターネットを使わなければ学生生活を満喫することはできません。

取材にご協力いただきありがとうございました。
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