HD-LDU3-Aシリーズ 開発者インタビュー

パソコン&録画用ハードディスク

新デザインで「静音+防振」

従来商品よりもいっそう静かに、壊れにくく、そしてコンパクトになった外付けHDD「HD-LDU3-A」シリーズ。誕生に至るまでの道のりは苦労の連続でした。お客様のニーズを満たすため、開発・設計時にハイレベルの課題を設定。数々の設計・試作を行った結果、高い静音性・放熱性を備えたHDDが完成しました。

品質・技術部 デザイン課 機構設計係 福田卓平

データストレージソリューション事業部 ストレージ開発課 HW開発係 浜武大輔

内部構造にこだわって空気層をカット!
熱による故障のリスクを軽減

浜武

今回のプロジェクトの課題は、従来商品よりも筐体のサイズを小さくすることでした。その上で、お客様より要望のあった「静音性」と「放熱性」の向上を目指し、設計の段階から入念に取り組みました。

福田

まず従来商品は、排熱用の通気孔からHDDの駆動音が微かに漏れて聞こえていたため、「HD-LDU3-A」では通気孔を廃止しました。これにより、従来のエアフロー設計が使えないため、断熱層となる空間を削減し、放熱性を向上させ、HDDの発熱による故障のリスクを抑えています。

完全に音のない空間で最高レベルの静音性を追求

福田

商品をコンパクトにするために、内部のゴムは小さくてもHDDの振動を抑えられるものにしています。また、縦置時の接地面は小さくなりましたが、振動を抑えるとともに、従来商品よりも倒れやすくならないよう設計・試作を行いました。

福田

今回はこうした「騒音を出さないこと」については特にこだわっています。音の測定・実験は、名古屋市工業研究所にある無響室で行いました。外の音が完全にシャットアウトされた室内で、従来商品や他社製品と音を比べながら静音性をとことん追求。また、その高さを裏づける要素=数値も欲しかったので、無響室で細かくデータを収集し、開発にフィードバックしました。その結果、実環境では使用中は限りなく無音に近い状態となり、例えば深夜のテレビ録画など、小さい音が気になる場面でも快適にご使用いただけるようになりました。

お客様には見えない細部までこだわり、筐体内部まで徹底的に改良

浜武

今回はHDDの放熱性をさらに高めるため、電磁波の放射を抑える板金を小型化させました。その上で基板の放射を低減させるべく、基板上の部品レイアウトを変更し、配線の引き回しを最適化しました。これにより放射の数値が格段に下がり、従来商品よりも大幅に小さい板金に変更できました。

浜武

「HD-LDU3-A」シリーズは、横置きと縦置きに対応しています。デザインもそれに合わせた設計になっており、8つほどあったデザイン案から、今回はテレビやレコーダーと親和性のあるモノを選びました。これは、最近HDDをテレビ録画に使用されるお客様が増えてきているので、テレビラックの上や中に設置した際にテレビやレコーダーとなじむデザインを意識しているためです。特に転倒による故障のリスクがない横置きでの使用をオススメいたします。

福田

また、録画番組などを視聴する際、LEDの点滅が気になるという声をいただいていました。ただ一方で、全く見えないのも動作しているか確認したいときに不便なため、筐体の前面にあったLEDは、後方の角に移動しています。このように、細部まで徹底して改良を行いました。

2つのアフターサービスで万が一の事態にもしっかり対応

浜武

「HD-LDU3-A」シリーズは放熱性に人一倍こだわって生み出された商品ですが、故障のリスクを完全にゼロにすることはできません。だからこそ、万が一の事態に備えて、Buffaloはデータを守るサービスも提供しています。お客様のHDDの健康状態を把握して、故障を事前にお知らせする「みまもり合図」。HDDが故障した際に受けられる「データ復旧サービス」。この双方で対応しているので、ぜひ安心してお使いただければと思います。