#163 画家 星山 耕太郎

今まで使用したハードディスクに比べて圧倒的に高速なファイルコピー 理想的なハードディスクです

第163回目の@Professional Usersは画家の星山 耕太郎さん。漫画、日本画、アクリルと自身の制作スタイルを追求、研究しながら、その類まれなフォーカスから解き放たれる精神世界をPOPかつクールに創造している世界基準の画家が@Professional Usersに登場です。「生命の実感」を肖像作品として残していきたいという独特のテーマで、今年に入ってからは日本橋の高島屋 美術画廊Xでの個展を大成功させます。星山作品は一度見たらそのインパクトと唯一無二の芸術性で見るものの脳裏に作品ごと焼き付いていきます。そんな星山さんの制作の裏側にはバッファローの外付けハードディスク、ドライブステーション HD-GD3.0U3Dの存在が。星山さんの大ファンというLAVAが星山さんの東京、町屋にあるアトリエを訪れお話を伺いました。

プロクリエイターが選んだ商品

ドライブステーション ターボPC EX2対応 DRAMキャッシュ搭載 USB3.0用 外付けHDD

Creator's Profile

星山 耕太郎(ほしやま こうたろう)

1979年

東京都生まれ

2003年

多摩美術大学日本画科卒

2003年~現在

会社勤務・広告デザイン業

主な個展

2010年

「顔の中へ」(GalleryQ/東京銀座)

2012年

「彼岸の考察」(Gallery百想/東京吉祥寺)

2017年

「Alter Ego」(A.C.T. /東京信濃町)

2018年

「FLYER」(高島屋 美術画廊X/東京日本橋)

主なグループ展

2010年

GalleryQ/東京銀座('11)

2013年

A.C.T./東京信濃町('16、'17)、ギャラリーショアウッド/東京南青山

2017年

ガレリア青猫/東京西荻窪('18)

Interview

学校よりもお絵描き教室の方が圧倒的に楽しかった子どもでした

——僕も大好きな画家、星山 耕太郎さんです。まずは星山さんが画家を目指していった経緯を教えてください。

幼稚園時代からひとりで絵を描いているような子供でした。みんなが外でサッカーをしていても、体を動かすことに関心がなかったので、教室に残って一人でお絵かきをしていました。

——厄介な子だ(笑)。

本当ですね(笑)。小学校に入ってからもそんな感じなのでみかねた親にお絵描き教室に行きなさいと言われ、6歳から9歳まで通いました。そこで初めて水彩画、油絵をやりました。今までひとりで描いていたのが周りにも絵を描く人たちがいて、仲間ができたことが嬉しかったですね。学校よりもお絵描き教室の方が圧倒的に楽しかったです。

——星山作品には漫画の要素が組み込まれていますね。これは子供の時から漫画が好きだったという単純な理由からくるものですか?

そうですね。僕の幼少時代は少年ジャンプなどのコミックブーム。僕は絵を描くのが好きでしたが、下手だったので毎日のように漫画を模写して練習していました。その時クラスに絵がとても上手な同級生がいたんです。

——いるいる。あしたのジョーとか戦艦ヤマトとかめちゃくちゃうまく描けちゃう人が必ずクラスにいたよね。

まさにそうです。でも実はその彼は僕が幼稚園時代にひとりでこもって絵を描いていた時に隣のクラスにいた子だったんです。彼も淡々と絵を描いていたんです。

——へー、なんか奇遇というか繋がっていたというか。

そうなんです。幼稚園時代は交流がなかったんですがついに小学校で同じクラスになりまして。でも彼は本当に絵がうまいんです。最初に僕が影響を受けたの間違いなくは彼です。彼はピアノも弾けるしスーパーマンのような存在。憧れていたので彼が描いて捨てた漫画を拾ってはそれをなぞって練習もしていましたよ。そして僕たちはとても仲良しになったんです。

——いい話ですね。

はい。その彼とは2010年の僕の最初の個展で再会できたんです。僕のFacebookを見て彼が来てくれたんです。その時初めて彼に告白したんです。どれだけあなたに影響を受けてたかって。

——絵もなぞってたしね。

それも言いました(笑)。あなたのおかげで画家になったって伝えました。そしたら彼はArtificial Loverというアーティスト名で音楽家としてデビューしていて、彼のアルバムジャケットを僕が担当することになったんです。

——すごくいい話!

これは本当に嬉しかったです。もっとも影響を受けた人のサポートができたんですからね。実は僕も音楽が好きだったので高校を出たらギター工房のようなところで働くと思っていました。本心は絵をやりたかったんですが正直それで勝負をするのが怖かったんです。でも親が「絵で行きなさい」と背中を押してくれたので美大受験のための美術予備校に通わせてもらえることになったんです。そこからが本当のスタートラインですね。

一度美術の世界で挫折しましたが、人と違う作品作りをテーマに再び絵を描き始めました

——予備校ではどうでしたか?

いきなり挫折しました(笑)。先生が生徒たちが描いた絵を並べて講評会をするんですが僕は常に最下位。当然ですが周りの人たちの絵のレベルがとても高いんです。でもそこで火がついたのも事実です。でも性格なんでしょうね。僕には絵が下手だというコンプレックスがあるんです。

——すごく上手いと思うけど。

美大受験ではたくさんの中から選ばれなくてはいけません。単純に技術面では負けてしまう。他の人より目立つためには根本的に人と違う表現をしないといけないなと考えて、美術館をまわったり色々な画集などを見て、古典画家の珍しい技法ばかり研究してました。

——なるほど。根本にはそういう思いがあってあの絵があるんですね。でも一度絵をやめていますよね?

はい。大学は多摩美の日本画学科に行き誰も見たことがない絵を描いてやろうと新しいスタイルばかり追求していたのですが、なにぶん基礎ができてないので何を描いても中途半端でした。先生にも「君は向いていない」と言われました。表現したい内容がないのに闇雲に新しいことをしようとした結果ですね。卒業しても絵で展開できる見通しが立ちませんでした。そして絵の具、筆、すべての画材を人にあげました。

——えっ、そして?

実は僕の父はブックデザイナー、本の装丁をしています。なので父と同じ道を進もうと思いパソコンの勉強を始めました。そこから広告のグラフィックデザイナーとしても15年間働いています。でもそれが良かったのかあることに気づいたんです。

——それは?

自分は見た目、それはデザイン的なものではなくもっと根っこからなにかを表現する、ゼロから自分で動機を作り始めてみる、そういうことをやりたかったんです。そしてまた絵を再開しようと決め、グラフィックは正社員から派遣のアルバイトに変え、絵とグラフィックデザインの両立生活を始めました。それが今年で10年目になります。

——正しい考えだと思います。とても聞きたい星山さんのその独特のスタイルの作風について聞かせてください。

はい。2010年の最初の個展が終わったあたりにある作家の人から「君の作品はどこかで見たことがある。誰かの真似をしている」と言われました。不要なものはすべて削り落としていかないと自分だけの表現には気づかないと。大きな衝撃でした。僕はその時点で「色」というものを信用していなかったのでそこで色を捨て、漫画と同じモノトーンである水墨を勉強していこうと思ったんです。これがまず水墨を作品に取り入れるきっかけになりました。そして僕には美術やデッサンというものよりもグラフィックや漫画、身近にあるイラストが根っこにあります。この和洋折衷なテイストは僕が育った環境にあると思います。実家は祖母の家の日本風のお庭に建っていました。でも家は洋風でした。家の中には外国の家具が並び、すぐMacのコンピューターを導入したり。一方祖母の家は完全なる日本家屋で、祖父や叔父が学者ということもあり古い書物が山のようにありました。そして僕はその怪しい雰囲気が昔から好きでした。もともと僕は漫画、イラストからスタートして、そこに予備校や大学で学んだ西洋美術が入ってきます。そこで自分が求めていることがわかりました。自分が育ってきた日本の風景と西洋のものを分けて考えられなくなり、結果今のスタイルにたどり着いたと言えます。自分が携わった要素すべてが入っているのが僕の作風と言えますね。

水墨画をベースにアクリル絵の具も使用。筆とエアブラシ、ロットリングなどのツールを駆使します

——なるほど。では星山作品が完成するまでのプロセスを自身の作品を例にあげて話してください。

わかりました。“Mob Psychology”という大きな作品について話します。2017年の10月に日本橋高島屋の美術画廊Xから先輩の紹介もあって個展のお話をいただきました。開催日が2018年の3月からだということで、それまで3、4ヶ月しかないのでまずは1ヶ月間かけてコンセプトを決めました。残りの3ヶ月は迷うことなく一気に28点の作品を描きあげていきました。僕の作品の根底には精神力や精神エネルギーを絵画として力強く表現したいというのがあります。そして美術画廊Xでのテーマを「集団に負けない個人の強さ」にしました。集団に流されることなく自分の意思を持ち続けるという精神性、流されやすい心、ブレまくる心と向かい合って、それに勝っていくためのエネルギー、それを絵にしました。そして個展のタイトルを“FLYER(チラシ)”とし、日々流され更新していく多面的な心理を、情報を編集し流通させる「チラシ」に喩えました。その中の1点が“Mob Psychology”(群集心理)”です(写真参照)。制作過程としてはまず和紙を木製パネルに水貼りします。日本画と同じ手順ですね。全体の構成を考えた時、普段は計算して作っているものが多いのですが、これはまったく計算せずに作ろうと決めました。作品のテーマが「自分では制御できないカオス」なので、下書きもせず、全体も見ず、左下から右上までひたすら描いていきました。そうすることで計算されたものではない、自分の範疇を超えた表現を群衆をモチーフとして描き出せたと思います。テクニカルな部分としては墨を使用していますが、筆とエアブラシ、ロットリングという現代的なツールを使って描くことで表現の幅を広げています。墨の可能性も同時に探っていますね。墨である程度描いたらその後アクリル絵の具を使います。画面に直接絵の具を練りだしてアドリブで描いていきました。塑像(そぞう)で使うベラや指を使って描いています。仕上げにまた墨を使い、最後に目を入れて完成です。これは「生きている画である」という想いを込めています。毎日乗る満員電車の風景をヒントに、群衆の一部にすぎない自分が、個人としてどう生きていくか、というテーマ。それを、群衆に呑まれる恐怖として逆説的に表現した作品です。今回の個展の中で描いたものの中ではもっとも大きな作品で、1820×2730mmのサイズになりました。本当はもっと大きく作りたかったんですが。

——僕もこれは見ました。絵の前で息を飲み、何分間か立ち止まったのを覚えています。その制作過程を聞いて納得しました。素晴らしい。ありがとうございます。今後星山さんが作りたい作品は?

自分が生きている間に残したいもの、それは自分が愛しているものに極まります。家族、友人、自分を成長させてくれた作家たち、その人たちを描いていきたいです。自分の源流になっている人たちです。

——楽しみにしています。ではパソコンの話をしましょう。メインで使用しているパソコンとソフトを教えてください。

使用しているパソコンはMacBook Airで、ソフトはイラストレーター、フォトショップです。パソコンは主に絵のラフを作る際にフォトショップで加工してイメージ作りをすることに使用しています。あとは作った作品のデータをストックすることですね。最初は自分がグラフィックの仕事もしているので極力作品作りにはアナログ性を強調してパソコンは使わないと決めていましたが、最近はあまり決めつけて表現を狭めない方がいいと考えるようになったので、結構な頻度でパソコンも使うようになりました。

——では星山さんが現在使用しているバッファローの外付けハードディスク、ドライブステーション HD-GD3.0U3Dについて聞かせてください。

はい。僕ら画家は従来スケッチブックや紙にエスキース(ラフ)を描いてきました。先ほど話したようにある時期から僕はグラフィックの会社と絵の制作の両立の生活を始めました。拘束された時間の中で、思いついてから記録するまでの即効性、短縮性という意味でもスマホやノートパソコンでエスキースを作るようになったんです。その際必要なのが大きなデータを蓄積していくためのアイデアベースのような存在のハードディスクです。このバッファローの外付けハードディスクはそのデータをたくさん記録できる3TBという容量を持ち、データをコピーするスピードも今まで使用したハードディスクに比べても圧倒的に速いので、僕にとっても理想的なハードディスクと言えます。割と言葉になりづらい、感覚的なものをソースとする職業なので、画像や写真とかを記録しておくことが自分の引き出しの多さにつながります。メモ帳にもアイデア等を常に記録していますが、デジタルにすることでよりプレビューというか、具体的なグラフィックの表現として記録できます。これは自分の作品作りには欠かせないデータベースになっています。それとアイデアに関してはクリエイティブの内容が言葉と違って忘れやすいので、それをちゃんと記録する媒体があった方がいいと思います。それを記録するものがアナログがいいのかデジタルがいいのかは自分の中で分けています。今まではアイデアについての話ですが、出来上がった作品を管理することにもハードディスクを使っています。自分の仕事を客観的に整理するときにデータは管理しやすいというのがあります。絵のままだと大小があり場所にも困ります。デジタルだとファイルで一括で保存ができるから助かります。造形表現を手がけている人にはデータ化していけることは効率的だと思います。僕の場合新作を作る際に過去の作品を見るということはまったくありません。あくまでも自身の足どりをハードディスク内で管理するという意味が大きいですね。それは自分の職業意識からくるものです。ハードディスクとは自分の脳のようなもの。記憶やメモリーとも言えます。作品が売れてしまったらもうこのハードディスク内にしかそれは存在しないものになります。なのでそれを残し続けてくれるという意味でもハードディスクは僕にとって欠かせないアイテムです。

——ありがとうございます。星山作品、どんどん売れてハードディスク内にメモリーとして残していってください。では最後に星山さんのような画家になりたい人にメッセージをお願いします。

自分の本当に描きたい絵を描くのは日本では難しいと言われていますが、本当のことを描かなかったら甲斐がないので、想いを貫き通して進んでください。そして生き残っていきましょう。

——今日はどうもありがとうございました。

Interview Photos

ここからは星山さんの作品です。星山さんご本人に説明していただきます。

「タイトルは“Chaos”。混沌とした雑念のイメージを描き、不安定な精神状態を表現しました。」

「タイトルは“Silence”。無口な人の、内に秘められた精神状態を表現しました。」

「タイトルは“Love”。少女漫画などのイメージを引用して恋心を表現しました。」

「タイトルは“腹”。日本語の慣用句で本音を意味する「腹の中」を表現しました。」

「タイトルは“True Colors”。タイトルの“True Colors”は「本音」の英訳です。本音を英語では色として表現するところから着想した作品です。」

「タイトルは“Mob Psychology”。群衆の一部として生活していることの強さと恐怖を表現しました。」

「タイトルは“Self-portrait”。スタジオで制作する精神状態を自画像として表現しました。」

「タイトルは“忠臣蔵”。赤穂事件において、義士達が泉岳寺の浅野内匠頭の墓前にて吉良上野介の首級を捧げる場面を描きました。」

僕は単純に彼のファンですから感動しましたね、このアトリエ。星山作品が所狭しと並べてあり、まさに星山ワールド満載のアトリエです。巨大なアートのパワーも感じました。すごいアトリエだねと聞いてみたら「毎日いるのでよくわからないです」と彼らしい返答が(笑)。

そしてこれ、ご覧ください。インタビューで言っていた「記録する媒体があった方がいいと思います。それを記録するものがアナログがいいのかデジタルがいいのかは自分の中で分けています。」そう、これはまさにアナログの方の記憶媒体、星山さんのメモの数々です。アトリエに入った瞬間このカラフルなメモ帳たちが気になって中を見せてもらってびっくり。びっしりアイデアが書き込まれています。メモをはるかに通り越して立派な作品ですよ、これは。

星山さんご愛用のバッファローの外付けハードディスク、ドライブステーション HD-GD3.0U3Dです。「データをたくさん記録できる3TBという容量を持ち、データをコピーするスピードも今まで使用したハードディスクに比べても圧倒的に速いので、僕にとっても理想的なハードディスクと言えます。割と言葉になりづらい、感覚的なものをソースとする職業なので、画像や写真とかを記録しておくことが自分の引き出しの多さにつながります。」と語ってくれました。そしてこのハードディスクは自分の脳だとも。星山さんはグラフィックの仕事も手がけるので、まさにデジタルとアナログの世界を行き来しながら作品作りに没頭する日々なんです。アート感満載のテーブルにバッファローのハードディスク、なんか僕は嬉しかったですね。

作業中の星山さん。以前はほとんど使用しなかったパソコンも今では普通に作品作りの一環として使っているそうです。さすがにパソコンのことにも詳しそうでした。このデジタルとアナログの絶妙なバランスが星山作品をより個性的にするエッセンスかもしれませんね。

何度も言いますが僕は彼の大ファンです。Facebookで星山さんの存在を知り、開催されていた高島屋の美術画廊Xでの個展を見に行きました。直接作品に触れ、そして彼とも話をして益々ファンになりました。アートに対する情熱、自身の作品に対する探究心、そして作品を生み出すための惜しみない努力、どれもがプロフェッシナルであり、作品もずば抜けて個性的でパンチがあります。彼が世界的にブレークする日はそう遠くないと僕は信じています。ぜひみなさんも星山作品をチェックして追いかけてみてください。インスタも始めたって言ってましたよ(笑)。

Creator's Favorite Foods

星山 耕太郎の好きな料理 “この一品!”「ハンバーグレストラン まつもとの黒デミグラハンバーグ」

星山さん曰く、「町屋に引っ越してきて最初に入ったお店がここ。この街の味です。以前は新宿に住んでいたんですが入ったお店の多くの味が工業的で大量生産な感じ。この街はお手製で暖かく迎えてくれる味。大好きなハンバーグです。」

今回登場した商品

ドライブステーション ターボPC EX2対応 DRAMキャッシュ搭載 USB3.0用 外付けHDD

ハードウェア上に搭載した「DRAMキャッシュ機能」及びファイル転送を高速化するソフトウェア「ターボPC EX2」(Windows用)によって高速転送を実現したUSB3.0対応外付けハードディスクです。大容量1GBのDRAM(メモリー)をキャッシュ(データの一時保存場所)として搭載しており、パソコンとハードディスク間のデータ転送がスムーズで高速。またMacでも従来商品より高速でコピーができます。さらに暗号化によるセキュリティーソフトウェア、バックアップソフトウェアなど豊富な添付ソフトウェア(Windows用)もご利用いただけます。