#167 ギタリスト、コンポーザー、アーティスト マルセロ 木村

今では弾いたらすぐにSSD 歌ったらすぐにSSD このSSDは宝物を入れる宝物です

第167回目の@Professional Usersはギタリスト、コンポーザー、アーティストのマルセロ 木村さん。今から12年前にブラジルのタトゥイから親の借金を返済するために日本に出稼ぎに来ます。そこから様々な出会いを経てプロのギタリスト、アーティストとしての活動を始め、今年の9月には待望の2枚目のアルバムがリリースされます。日本で活動する最も優れたブラジル人アーティストとの呼び声が高く、ライブやレコーディングを中心に多忙な日々を送っています。そんなマルセロさんは昔からのバッファローユーザー。今回新たにバッファローのポータブルSSD、SSD-PL480U3-BK 480GBをクリエイティブに導入したとのこと。早速LAVAが東京、吉祥寺にあるマルセロさんのご自宅兼仕事場を訪れお話を伺いました。

プロクリエイターが選んだ商品

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Creator's Profile

マルセロ 木村(まるせろ きむら)

1979年ブラジル サンパウロで音楽一家に生まれ、ギタリストである祖父の影響にて幼い頃からギターに慣れ親しむ。ラテンアメリカ最大の演劇・音楽学校「Conservatorio Musical e Dramatico Dr. Carlos Campos - Tatui - SPにて、クラシックギターを学び、Ary Piasarolloよりジャズギターを師事。若干16歳にして、タトゥイの音楽学校より講師のオファーを受け指導。個人レッスンやライブハウス・ラジオ・テレビ局などでも演奏を行い、その後ショーロ・サンバ・ボサノヴァは勿論、ロックやジャズも同等にこなし、それらをクロスオーバーさせた独自のサウンドスタイルを展開。2009年1月にインストゥルメンタル・サンバ ジャズ・ユニットMISO BANANAを結成し、2010年1月にアルバム『Uirapuru』リリース。サウンドメーカーとしても国内外の多くの有名アーティストより信頼を受け、サウンド 提供・アレンジ・レコーディングと幅広くサポート。名古屋にMusica & Bar Marcelo(ムジカ&バーマルセロ)をオープンさせ国内外の有名アーティスト(小野リサ、パウラ・リマなど)との素晴しいセッションやサウンドをお届けするとともに、若手に活動の場を与え育成にも力を入れる。日々意欲的に音楽と向き合い、ソロとして世界に向け全国にて活動中。2013年 10月に、ソロ名義初となるアルバム『Morro Do Urbana』をモーションブルー横浜でリリースLIVE。2014年6月には、地元、名古屋ブルーノートにて「マルセロ木村CDリリースLIVE」を大成功におさめる。現在は拠点を東京に移した。

Interview

ギタリストであるおじいちゃんの弾いていたギターの響きに誘われてギターをやろうと決めました

——僕も楽しみに待っていた2枚目のアルバムをリリースしたアーティストのマルセロ 木村さんです。まずはマルセロさんがギタリスト、アーティストになっていったストーリーを教えてください。

僕はブラジルのタトゥイに生まれました。8歳の時におじいちゃんの家に遊びに行ったらギターがあって、おじいちゃんがリビングでギターを弾いていたんです。実はおじいちゃんはショーロというブラジル音楽のギタリストなんです。そのおじいちゃんのファミリーもほとんどがミュージシャン。不思議な話ですがそのおじいちゃんのギターの響きを聞いて、自分もギターを弾いている感じになったんです。その帰り道に自分もギターをやろうと決めました。

——なにかファミリーの血がメロディーとなりマルセロさんに大事なことを伝えてくれたんですね。そこからギター練習開始ですか?

はい、母の姉が使っていたギターをくれました。好きなレコードを聞きながらコピーをして毎日練習をしました。父の勧めもありタトゥイの有名な音楽学校に進もうと思い、ギターの個人レッスンを1週間だけ受けその学校には入学できました。でも2年間でその学校は辞め、その1週間だけ行った個人レッスンをしてくれた先生のところに戻ったんです。

——それは興味深い話ですね。

素晴らしい先生でした。でもその時に家の問題でレッスン料が払えなくなってしまったんです。その時に先生が、「ここで誰かにマルセロがギターを教えて、そのレッスン代金を自分のレッスン費用にあてればいい」と言ってくれたんです。

——おー。

結果朝の10時から夜の10時まで生徒が集まりました。16歳でギターの先生になったんです。家にもお金を入れられることもできて、音楽のおかげで家族も自分も生活ができるようになったんです。

——いい話ですね。でもそんなすぐにギターって人に教えられるものなんですか?

ブラジルではいろんなジャンルの音楽の演奏ができないと仕事は入りません。そういう国なんです。なので僕はギターを始めた頃から様々なジャンルの音楽をギターで練習しました。親も多くのジャンルの音楽を聴いていたので、子供の頃からたくさんの音楽に触れていたことも大きいですね。なのでロック、ジャズ、ボサノバ、様々な生徒さんにも対応ができたんです。

出稼ぎに来て最初は浜松の工場で働き、そして夢を追うためにギターと洋服だけを持って名古屋へ移りました

——そしてその後日本に来ますね。

はい。16歳以降もレッスンの仕事は続け24歳までブラジルにいましたが、実は親が離婚してお金の問題が発生しました。母が借金を抱えてしまったので、自分が日本に行って工場とかで働けばその返済にあてられると考えました。そして日本に出稼ぎに行きました。浜松の工場で1日中働き当初2年で返せればいいかなと思っていた借金を6ヶ月で全て完済することができたんです。

——えらい!

でもその後どうしようかと悩みました。このまま日本にいるか、それともブラジルに帰るか。日本にいればもっと稼げてさらに家族を助けることができる。どうしよう?と。その時に音楽から離れていたので少し寂しい気持ちになりギターを買いに行きました。僕は当時日本語もまったくわからなかったんですが、日本で音楽を始めてみようと思ったんです。もっと練習をして、日本のことも勉強して進んでみようと。今から12年前の話です。

——その後浜松から名古屋に移りますね?

はい、2007年に名古屋に遊びに行った時にブラジルレストランに行ったんです。そこではブラジル人のバンドが演奏をしていました。そのバンドのリーダーに誘われて1曲セッションをしたんです。それを聞いたリーダーが、「明日からバンドに入らないか?」と言ってきたんです。当時僕は浜松から滋賀県の派遣会社で働いていたんですがそこに電話をして、「明日から名古屋に行って夢を叶えるために仕事を辞めます」と話しました。すごく怒られましたが(笑)、自分の夢を追うためにギターと洋服だけを持って名古屋に移りました。結局結婚もして子供も生まれ、僕は9年間名古屋で生活をしました。自分のお店「マルセロBAR」もオープンさせて、オープニングパーティーには小野リサさんも演奏しに来てくれたんですよ。

——それは凄い。そして名古屋時代に1枚目のアルバムをリリースしていますね。

はい、それでリリースライブを名古屋のブルーノートでやろうと決め、結果400人以上のお客さんが来てくれました。大成功でしたね。それが2013年。そこから本格的にマルセロ木村というアーティストとしての活動が始まりました。2016年に東京に引っ越し、活動の場を東京に移し様々な音楽活動をスタートさせます。最近では世界的なサックスプレーヤーの渡辺貞夫さんと一緒に10曲レコーディングをしました。その経験は僕にとってとても大きなものになりました。そして2枚目のアルバム制作に入り、12曲のオリジナルソングで構成されたアルバムが9月にリリースされます。そしてリリースライブを南青山の曼荼羅で11月6日に行うことが決定しました。

——ではその2枚目のアルバム “Samba A Distancia”について聞かせてください。

14年の間に僕が作った曲が中心になっています。その間に父が亡くなり、子供も生まれ、離婚もして、そういった様々な想いの中から生まれた曲がこのアルバムには入っています。タイトルは日本語で言うと「距離があっても音楽の壁はない」。歌詞を書いてくれた人はイギリスにいて僕はその人と直接会ったことがありません。Skypeで会話をしています。今回のアルバムの制作はそこから始まったので、音楽を作ることには距離や隔たりは関係ないという思いからこのタイトルを考えました。そして今回のアルバムでサポートしてくれたドラマーでありプロデューサー、エンジニアのダニエル・バエデルは品川に自身のスタジオを持っています。自分は吉祥寺にいます。これにもちょっとした距離があります。お互いのデータのやり取りをインターネットを使って実現している部分もあるので、このタイトルはとても現代的であるとも言えますね。そして僕には伝えたいメッセージがあります。自分の夢がある限り絶対に諦めない。この想いを今は離れて暮らしている自分の子供にも伝えたいのです。プライドばかり高くならず、自分の夢をキャッチしてほしいという想いを込めています。子供は名古屋に住んでいるのでこれも距離がありますね。

今まで日本に滞在するブラジル人が12曲ものオリジナルソングのアルバムをリリースしたことはないと思います

——きっとお子さんにも届くと思いますよ。アルバム “Samba A Distancia”が完成するまでの制作のプロセスを教えてください。

楽曲のイメージができたらまずは自宅で自分のギターを録音します。その後ダニエルに録音したギターのデータを送ります。そしてダニエルがドラムを録音してまた僕にデータを戻します。その後そのドラムの上に新たにギターを録音し直してそれをまたダニエルに送り、その後そこにダニエルのスタジオでベース、ピアノ、ホーン、ボーカル等を録音していきます。そしてダニエルがミックスダウンとマスタリングをして終了です。今回の録音は約1ヶ月で終了しました。

——できあがりを聞いてどうでしたか?

使用している機材がものすごくいいわけではないですが、このプロジェクトを僕は誇りに思っています。参加してくれたミュージシャンたちも真剣に僕の音楽に取り組んでくれました。今まで日本に滞在するブラジル人が12曲ものオリジナルソングでアルバムを作りリリースしたことはないと思います。楽曲、そしてクオリティー含め胸を張ってお薦めできるアルバムが完成したと思います。是非聴いてください。

——ファンとして僕はとても楽しみです。ではパソコンの話をしましょう。メインで使っているパソコンとソフトを教えてください。

メインで使っているのが2010年モデルのMacProです。使用しているソフトがLogicとProtoolsです。作曲はギターで行いその後パソコンでアレンジをしたりトラックを作ります。

——最近マルセロさんが導入したバッファローのポータブルSSD、SSD-PL480U3-BK 480GBについてお聞かせください。

今までの僕のレコーディングはパソコン内のハードディスクに楽器等をレコーディングをしてから、その後そのバックアップを外付のハードディスクに入れていました。それは面倒くさいしやはり時間もかかります。データも多いのでマメに整理をしないといけないんですがやはりそれも面倒くさい。現在僕が使用しているバッファローのポータブルSSD、SSD-PL480U3-BK 480GBはパソコン内ではなく直接このSSDにバックアップがとれる設定にしてあります。音楽ソフトは先ほど話した通りLogicとProtoolsを併用していますが、そこに録音されたデータがそのままこのSSDに入っていくのです。これは大変便利ですし面倒くさがりの僕は相当助かっています。以前の外付けハードディスクですとその外付けハードディスク自体で作業をすると動作が遅く、それが嫌でまたその外付けハードディスクからデータをパソコン内にコピーして作業をしていましたが、それもまた時間がかかりますしメインのパソコンが重くなります。だから結局動作も遅くなります。でもSSDに記録されているデータであれば、そのSSD内で作業がとてもスムーズにできるし動作も速いです。ソフトが立ち上がる速度もとても速いです。音楽自体のデータが重くてもあまり関係なく立ち上がりが早いし作業もスムーズにできます。正直僕はSSD内で作業がこんなにもスピーディーかつ簡単にできると思っていませんでした。やはりハードディスクよりも全然速いですね。それと今回の制作でも抜群な働きを見せ大活躍をしてくれました。僕がまず録音をしたデータが入っているSSDをパソコンから外し、先ほど話したダニエルのスタジオに持っていって彼のパソコンに差し込み、そこで新たに録音されたデータをSSDにコピーしてまた自宅に戻ります。この軽さなので携帯電話のように僕はポケットに入れて移動していました。みなさんも一度これを使ったら手放せなくなりますよ。僕は一回パソコン内のハードディスクが壊れて映像のバックアップが全てなくなったことがあります。その痛い経験もあったので今では必ずバックアップをとります。実は僕はかなり昔からのバッファローユーザーです。過去の大事なデータは今でもバッファローの外付けハードディスクに何台にも分けて入っています。やはりギターは手作業なので同じフレーズは二度と弾けません。なので今では弾いたらすぐにSSD。歌ったらすぐにSSD。安心して使用しています。これは僕の宝物を入れた宝物です。

——ありがとうございます。さらにマルセロさんの魂の音楽をどんどんとストックしていってください。これからの活動を本当に楽しみにしています。では最後にマルセロさんのようにギタリスト、アーティストを目指す人たちにメッセージをお願いします。

お金がなくなっても家がなくなっても自分の持っているパワーは誰も盗めません。やめることは簡単ですが、信じたことは諦めないで追いかけてほしい。自分の正直な部分を大切に進んでください。

——今日はどうもありがとうございました。

Interview Photos

マルセロ木村さん渾身の2枚目のアルバムです。ケペル木村さんからのコメントを載せておきます。(ケペル木村/1952年創業のラテン音楽専門社“中南米音楽/MPB”主宰、音楽評論家、ミュージシャン、ブラジル料理研究家。)
「日本在住のブラジル人アーティスト、マルセロ木村の最新作は『Samba a distancia』と名付けられた。日本語に直訳すると『離れたサンバ』。その意味するところは「メンバーと同じ時空間での録音作業をしていない」ということ。インターネットを通じて各自がそれぞれの自宅(自室)など「離れた」場所で録音し、その音声ファイルのやりとりを経てこのアルバムは制作された。
このアルバムにはマルセロが日本へ来てからの14年間に経験したこと、考えたこと、感じたこと、出会ったことなどが音楽として綴られたものだ。曲調としてはサンバやボサノヴァなどもあるが、コンテンポラリーなポップスやジャズもある。マルセロは全12曲の作編曲も手掛けており、音楽家として思う存分自分の世界を表現しているし、16歳からプロとしてブラジルで演奏活動をしていたという凄腕ギタリストとしての力量をどの曲でも遺憾なく発揮しているが、彼のヴォーカルもかなり魅力的だ。 このアルバムで魅力溢れるマルセロの音楽を味わった方には是非とも彼のライブに足を運んでいただきたい。さらに躍動的で超絶技巧を駆使した演奏を目の前で体験したら、マルセロの虜になることは絶対に間違いない。」

ライブでの写真。これはマルセロさんが1枚目のアルバムリリース時に名古屋のブルーノートでのライブを大成功させた時の1枚。かっこいいですね。

日本、いや、世界を代表するサックスプレーヤー、渡辺貞夫さんとのレコーディング風景です。世界的なミュージシャンとの録音でマルセロさんも自分の中でなにかが変わったと言っていました。大きな経験を得たんですね。

そして11月6日に満を持して行われるマルセロ木村さんのリリースライブ@南青山曼陀羅のフライヤーです。バックを務めるミュージシャンたちも素晴らしいメンツ。間違いなく熱く、素晴らしいライブになるでしょう。みなさまも是非足をお運びください!

今回マルセロさんが導入したバッファローのポータブルSSD、SSD-PL480U3-BK 480GB。「現在パソコン内ではなく直接このSSDにバックアップがとれる設定にしてあります。そしてSSD内での作業がとてもスムースにできるし動作も速いです。ソフトが立ち上がる速度もとても速いです。音楽自体のデータが重くてもあまり関係なく立ち上がりが早いし作業もスムースにできます。正直僕はSSD内で作業がこんなにもスピーディーかつ簡単にできると思っていませんでした。やはりハードディスクよりも全然速いですね。」もう手放せない状態だと言ってくれました。うー、欲しい。

パソコンで録音中のマルセロさん。僕は彼と最近データのやり取りをしたことがあるんですが、かなり早く、そして慎重にデータを送ってくれました。その裏にはこのSSDがあったんだなと今気づきました(笑)。でもインタビューではいろいろとパソコンでの作業は面倒くさいと言っていましたが、いやいや、彼は仕事、とっても丁寧ですよ。

マルセロさんは僕のプロデュースしていたレストランで一度演奏をしてもらったことがきっかけで知り合いました。そのギターの腕前は驚くほどに素晴らしく、同時に歌もとってもいいんです。念願叶って僕の新作でも1曲歌ってもらいましたが、今回のマルセロ木村リリースの2ndアルバム、“Samba A Distancia”、ワールドクラスの大傑作ですので是非みなさんも聴いてくださいね。ブラジルの熱い新風を感じることができますよ!

Creator's Favorite Foods

マルセロ 木村の好きな料理“この一品!”「みんみんの餃子とあさりチャーハン」

マルセロさん曰く、「近所の大好きなみんみんの餃子とあさりチャーハンです。パンチがあってお昼に食べたら夜ご飯はもう入りません。でもまたすぐに食べたくなります(笑)。」

今回登場した商品

USB3.1(Gen1)&耐振動・耐衝撃 ポータブルSSD

本商品は、高速に書き込みできるUSB3.1(Gen 1)対応ポータブルSSDです。ワイシャツの胸ポケットにもすっきり収まるコンパクト設計。また、耐衝撃・耐振動設計の筐体を採用しており、万が一の落下による衝撃や、移動中の振動から大切なデータを守ります。さらに、取り回しが自由自在な「やわらかタイプ」のUSBケーブルが付属し、ストレスのない接続が可能です。 従来のパスワードによる暗号化に加えて、直感的にすばやく操作できる「パターン認証」を採用したセキュリティーソフトウェア「SecureLock Mobile(セキュアロックモバイル)2」に対応。