増え続ける注文台数を頭の片隅に、
工場へ車を走らせた。

  • #理系
  • #その他
  • #メーカーとしての姿勢

2017年入社

工学研究科 卒
生産管理部

バッファローとの出会いは合同企業説明会。年配の方も簡単にWi-Fiの設定ができるAOSS※という機能を開発した話が記憶に残った。その数日後に目にしたのは、実家で同じ機能を使ってインターネットを楽しむ祖父の姿だ。知識の少ないユーザーを置いてけぼりにする開発はしない。開発者の想いが現実になっている光景に惹きつけられた。

部署・仕事紹介

自社工場を持たない『ファブレスメーカー』であるバッファローは、製造パートナーとなる生産工場との信頼関係の構築が非常に重要になる。生産管理部は、国内外の生産工場の納期・発注管理を行う部署だ。所属する係では国内工場二社の管理を担当しており、自らはHDD※や法人向けのNAS※の生産工場を担当している。

  • AOSS|ボタンを押すだけで無線LANへの接続設定ができる、バッファローが独自開発したシステム。エアステーション・ワンタッチ・セキュア システムの略。
  • HDD|データを保存する記憶媒体。ハードディスクドライブの略。
  • NAS|ネットワーク接続で使えるハードディスクドライブ。ネットワークアタッチトストレージの略。

需要の源泉は人の意思。
その勢いは予想を超えた。

「追加注文お願いします!」営業からの電話が鳴り響くオフィス。年末商戦であるHDD製品のキャンペーンのもと、需要増を予測して生産は10月から前倒しで対応していた。しかし、追加注文の連絡が止まらない。
最終的な追加を含む総生産台数は、予定の数倍を超えた。部署メンバー総出で解決にあたる日々が始まった。ある担当者は海外工場に輸入部品数増の交渉に駆け回る。そうしている間にも注文数はさらに増え、納期は迫る。私は担当の生産工場へ車を走らせた。人員を増やし、工程の改善点を見つけ、一台あたりの生産時間を短縮できないか解決策を探るためだ。

生産体制は常に変えていくもの。
一度決めて終わりじゃない。

「一日の生産量を増やせませんか」。急な生産量の増加は工場に大きな負荷をかける。この生産工場とバッファローは、もう何十年来のパートナーだ。工場側も懸命に人員を集めてくれた。新たな設備も整えた。あとは生産ラインでの改善点だ。例えば一時間に100台生産する工程を、120台生産できるように改善する。梱包の紐の長さを短くする。説明書をパッケージに入れやすいよう、小さくする。一つの工程改善で二秒しか短縮できないとしても、100台に反映されれば200秒の余裕が生まれ、時間あたりの生産台数が増える。体制が整ってからも、現状の生産台数が何台で、最終的にどれだけ上積みできるかと、確認を絶えず繰り返した。
最終製造分の出荷を見届け、ホッと一息をついたのは12月末。年内にすべてのオーダーに対応することが出来た。

想定外が面白い。
そう感じるようになってきた。

入社当時は開発者に憧れ、開発課を希望していた。しかし今は、ユーザーを想いながら目の前の仕事にあたっている人間が、開発者だけではないということが分かる。
生産管理は、製品ごとの生産状況を把握した上でマーケティングや営業から情報を集め、次の発注量を決定し、生産工程を考える仕事だ。会社全体と関わっていると言っても過言ではない。製品構造やパッケージデザインにも、生産現場で実現できること・できないことがある。それは、工場を知り尽くした自分だからからこそ分かる事実だ。だからこそ生産現場の声を社内に伝え、改善を加え『約束通りに届ける』という品質を向上することができる。今は、配属前には分からなかった仕事の魅力を感じている。

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